(消化器のお話し)血便を認めたら…
「血便」とは、主に大腸や肛門からの出血が原因となって見られる赤色便のことを指します。
原因として、まず大腸がんを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際には様々な疾患が血便を起こします。
頻度が高いものとして、大腸がん、虚血性大腸炎、大腸憩室出血、炎症性腸疾患(IBD)などの腸の病気のほか、痔出血も含まれます。
そのほか、良性ポリープからの出血、一部の感染性腸炎、直腸潰瘍、放射線性直腸炎、腸管壊死など様々なものが血便をきたします。
また、食道や胃、十二指腸から出血すると通常は胃酸の影響により黒色便(タール便)になるのですが、一度に大量出血した場合には赤色の血便になることもあります(食道・胃静脈瘤破裂、出血性胃・十二指腸潰瘍、胃がんやGISTなどの悪性腫瘍)。
実際に血便を認めたとき、まず「緊急性があるか」「重症かどうか」という点が、診断以上に重要です。
「おなかがグルグル鳴って何度も血便が出る」「目の前が暗くなった」「少し動いただけで動悸や息切れがする」「血圧が低い、脈が速い」などは、出血量が多い場合のサインです。
これらが揃っている場合には、緊急で内視鏡的止血術、血管内治療(IVR)や輸血、状況によっては外科手術を検討しなければならない可能性があり、至急で医療機関、できれば救急対応が可能な病院にご相談いただくことが望ましいと考えられます。
なお、大腸憩室出血や静脈瘤破裂などの疾患は出血が多くても腹痛を伴わないことがほとんどであり、腹痛の有無では緊急性や重症度は判断できません。
「排便時に冷汗や気分不良があり、その後何度も血便が出る」「どちらかというと左側のおなかが痛い」という場合、虚血性大腸炎を第一に疑います(もちろん他の疾患の可能性もあります)。
診察や検査の結果、重症の虚血性大腸炎であれば入院が必要になることもありますが、軽症であればご自宅での療養も可能です。
「以前からときどき少量ずつ血便がある」「肉眼的に血便はないが、健診の便潜血検査は陽性だった」というときには、緊急性はありませんが、痔出血のほか必ず大腸がんやIBDの可能性も考えておかなくてはなりません。
これは中高齢者だけでなく、若年者についても同様です。
近年若年で発症する大腸がんが増えていることが報告されています。
また、IBD、特に潰瘍性大腸炎(UC)はもともと20-30代の若年者に発症することが多い疾患ですが、国内で患者数は増加の一途をたどっています。
大腸については「まだ若いから、たいした病気はない」とは言い切れないのが現状であり、例え20-30代の方でも、血便を認めた場合には慎重に病歴やお身体の状態を確認し、方針を検討する必要があります。
神戸市東灘区の河原医院では、多くの血便の診断・治療に尽力してきた日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医が診察を担当しています。
★ JR住吉駅(神戸市東灘区)北出口から徒歩1-2分
★ 内視鏡学会専門医による鎮静剤を用いた楽な胃カメラ
★ 土曜の検査可
★ 胃カメラ・大腸カメラの同日実施も可
★ 鎮静剤を使用しない場合、無料駐車場利用可
血便や便潜血陽性を認め、どうしたら良いかお悩みの方は、ぜひ一度河原医院までご相談ください。
状況に応じて、適切な方針をご提案させていただきます。